
淡水の観光ガイド。河口に沈む夕日の名所、スペイン人が築いた紅毛城、マカイ博士ゆかりの教会と真理大学、淡水老街の名物グルメ「阿給」や鉄蛋、漁人碼頭の情人橋、渡し船の楽しみ方、台北からのアクセスまで紹介します。
- アクセス
- MRT淡水信義線の終点「淡水」駅下車。台北駅から約40分
- 滞在時間の目安
- 3〜4時間(夕日まで楽しむなら午後から夜にかけて)
- ベストシーズン
- 通年。晴れた日の夕暮れ時が特におすすめ
台北駅からMRTに揺られて約40分。終点の淡水駅を出ると、目の前に大きな川がゆったりと広がり、潮の香りが風に乗って届きます。淡水河が台湾海峡へと注ぐ河口の町、淡水(ダンシュイ)。ここは、台北の人々が「夕日を見に行こう」と気軽に出かける、台湾屈指の夕日の名所です。
淡水は、古くから海外との窓口となってきた港町でもあります。スペイン人、オランダ人、イギリス人、そして日本人。さまざまな人々がこの地に足跡を残し、町のあちこちに異国情緒あふれる建物が今も残っています。この記事では、淡水の歴史と見どころ、名物グルメ、夕日の楽しみ方をご紹介します。
01海外との窓口だった港町
淡水の歴史を語るうえで欠かせないのが、17世紀に台湾北部へやってきたスペイン人です。彼らはこの地に城を築き、その後、オランダ人がそれを奪って新たな城を築きました。さらに19世紀には、淡水が開港して国際的な貿易港となり、イギリスの領事館が置かれるなど、多くの外国人が暮らす町になりました。
同じころ、カナダから来た宣教師マカイ(馬偕)博士が淡水を拠点に活動し、教会や学校、病院を開いて、医療や教育の発展に大きく貢献しました。淡水の町を歩くと、こうした歴史の積み重ねが、赤レンガの建物や教会の尖塔となって、今も風景の中に溶け込んでいるのがわかります。
02紅毛城と旧イギリス領事館
淡水観光の代表的なスポットが紅毛城です。当時の台湾の人々がオランダ人を「紅毛(赤い髪の人)」と呼んだことから、この名がついたといわれています。高台に建つ赤い城壁の建物は、スペイン人が最初に築いた城を、のちにオランダ人が再建したものが起源とされています。その後、長い間イギリスの領事館として使われていました。
紅毛城に隣接する旧イギリス領事館の公邸は、赤レンガとアーチが美しいコロニアル様式の建物です。ベランダから淡水河を見下ろす景色は格別で、かつての領事たちもこの眺めを楽しんでいたのでしょう。館内には当時の暮らしを再現した展示もあります。
ポイント:紅毛城の周辺には、旧淡水税関の官舎(小白宮)、真理大学、淡水礼拝堂など歴史的な建物が集まっています。坂道が多いので、歩きやすい靴で散策しましょう。
03マカイ博士ゆかりの場所
淡水礼拝堂
淡水老街の近くに建つ淡水礼拝堂は、赤レンガ造りの美しい教会です。マカイ博士の功績を伝える建物のひとつで、尖塔が空に向かってすっと伸びる姿は、淡水を象徴する風景になっています。
真理大学
紅毛城の近くにある真理大学のキャンパスには、マカイ博士が設立した学校の校舎として使われた「牛津学堂」が残っています。中国の伝統建築と西洋建築の要素が融合した独特の建物で、緑豊かなキャンパスの散策も楽しめます。
04淡水老街の食べ歩き
淡水駅から川沿いに延びる淡水老街は、食べ歩きが楽しい賑やかな通りです。淡水ならではの名物をぜひ味わってみてください。
- 阿給(アーゲイ):油揚げの中に春雨を詰め、魚のすり身でふたをして蒸し上げた淡水名物。甘辛いソースをかけていただきます。名前は日本語の「揚げ」に由来するといわれています。
- 魚丸湯(ユーワンタン):港町らしい、魚のすり身団子のスープ。中に肉あんが入ったものもあります。
- 鉄蛋(ティエダン):醤油ベースのたれで何度も煮込んでは乾かしてを繰り返した、黒くて弾力のある卵。淡水土産としても人気です。
- 巨大ソフトクリーム:老街には、驚くほど背の高いソフトクリームを売る店もあり、写真映えすると評判です。
05夕日を楽しむ
河岸の遊歩道
淡水の夕日は、町のどこから見ても美しいものですが、特におすすめなのが淡水老街に沿って延びる河岸の遊歩道です。対岸の観音山のシルエットの横に、オレンジ色の太陽がゆっくりと沈んでいく光景は、何度見ても胸を打ちます。夕暮れどきには、ベンチに座って空を眺める人、カメラを構える人で賑わいます。
漁人碼頭と情人橋
淡水の河口近くにある漁人碼頭は、白い帆を思わせるデザインの「情人橋(恋人の橋)」で知られる港です。夕暮れになると、橋のシルエットと沈む夕日が重なり、ロマンチックな雰囲気に包まれます。夜には橋がライトアップされ、昼間とはまた違う表情を見せてくれます。
渡し船の楽しみ
淡水老街の船着き場からは、対岸の八里や漁人碼頭へ向かう渡し船が出ています。川の上から眺める淡水の町並みと夕日は、陸から見るのとは違った趣があります。運航時間や料金は季節や天候によって変わることがあるので、乗り場で確認しましょう。
06散策モデルルート
- 淡水駅から淡水老街へ。名物グルメを食べ歩き
- 淡水礼拝堂で赤レンガの教会を見学
- 坂道を上って紅毛城と旧イギリス領事館へ
- 真理大学のキャンパスを散策
- 河岸の遊歩道、または漁人碼頭で夕日を鑑賞
07アクセスと回り方
淡水へは、MRT淡水信義線の終点「淡水」駅で下車してすぐ。台北駅から乗り換えなしで約40分です。漁人碼頭へは、渡し船のほか、路線バスやライトレールでも移動できます。施設の開館時間や休館日は変わることがあるため、事前に確認しておきましょう。
淡水は、北投温泉や陽明山と同じ台北の北部エリアにあり、組み合わせて一日を過ごすのにぴったりです。午前中は迪化街で散策を楽しみ、午後に淡水へ向かうルートも人気です。坂道の多い紅毛城周辺を効率よく回り、夕日の時間に合わせて漁人碼頭へ移動するなら、貸切チャーターが便利。ドルフィン・チャーターの「8時間チャーター(1台 NT$6,500〜)」で、北投・淡水を夕日まで楽しむプランも組めます。2泊3日の旅程に組み込むアイデアは台湾旅行2泊3日モデルコースでご紹介しています。
08よくある質問
Q. 淡水の夕日は何時ごろ見られますか?
季節によって日没の時刻は大きく変わります。訪れる日の日没時刻を事前に調べ、その1時間ほど前には河岸や漁人碼頭に着いているようにすると、空が色づいていく様子をゆっくり楽しめます。
Q. 淡水は雨の日でも楽しめますか?
紅毛城の館内見学や老街の食べ歩きは雨の日でも楽しめますが、夕日は見られないことが多いです。夕日を目的にするなら、天気予報を見て晴れの日を選ぶのがおすすめです。
Q. 子ども連れでも楽しめますか?
楽しめます。食べ歩きや渡し船は子どもにも人気です。紅毛城周辺は坂道が多いので、ベビーカーの場合は移動ルートに気をつけましょう。
09まとめ
スペイン、オランダ、イギリス、そして日本。さまざまな国の人々が足跡を残した淡水は、歴史と異国情緒が今も息づく港町です。紅毛城の赤い城壁、マカイ博士ゆかりの教会、名物の阿給と鉄蛋、そして観音山の横に沈んでいく夕日。台北からMRTで気軽に行ける距離に、こんなにも豊かな物語が詰まった町があります。夕暮れの時間に合わせて、ゆったりと港町さんぽを楽しんでください。


